フルミストについて(2022年度)
【コロナワクチンとの接種間隔は?】
CDCは新型コロナワクチンと他のワクチンとの接種間隔を原則設けていません。
つまり、コロナワクチンとFluMistも接種間隔を開ける必要は無いはずですが、日本での現状を鑑みて、現在のところは(注射のインフルエンザワクチン以外と同じく)二週間接種間隔を空けてください。
【さらに重要】フルミスト返り咲き(2018年度)
CDCが2018年2月21日に再びフルミストを推奨しました。
2016/17シーズンの推奨取り下げから一転 インフル経鼻ワクチン、米国で再度接種推奨へ
原文はこちらになります。会社の苦労が忍ばれます。
去年の文章は残しておきます。よろしかったら、御覧ください。
【重要】フルミストは効かない?(2017年度のみ)
3年間フルミストを推奨してきたアメリカのCDCですが、ここに来て推奨しなくなしました。
原因は副反応ではなく、効果が薄いというものです。
会社自体は反論していますし、イギリスやカナダなどでも有効性を認められています。
どうして効かない?
過去のH1N1型の感染のため干渉したんのでは、とか、ワクチンの保存が悪かったのでは(当院では専用の冷蔵庫を使用しています)、とは言われていますが、今のところは原因は不明です。
個人的な意見を言えば、このワクチンは人を選ぶのだと思います。フルミストをしてから一度も罹らないという人もいれば、フルミストをしても家族で1人だけインフルエンザに罹患した人もいます。
フルミスト(生ワクチン)の特性として以前に罹患した株では(体内で排除されてしまうため)効果が弱い事が知られています。近年は同じ株のH1N1型が流行しており、以前同じ株に感染していると、フルミストを接種しても同じ株には効きにくい可能性があります。
どうすればいいの?
いくつか参考サイトを紹介しますので、お読みになった上で判断して下さい。当院は今年もフルミスト接種します。
インフル用経鼻ワクチンが効かなくなった理由(日経メディカル:会員制)
おまけ
「フルミストの親会社(アストラゼネカ)はイギリスだから、イギリスはフルミストを贔屓目に見ているのだろう」という声もあるかもしれません。
一応お話をしておくと、イギリスのHPVワクチンは当初サーバリックス(イギリスのグラクソ・スミスクライン社)でしたが、2012年にガーダシル(アメリカのMSD社)に替わりました。
ロタワクチンやHPVワクチンは一般的には、同一国・州で統一されていることが多いですが、日本は賑やかですね。
経鼻インフルエンザワクチン(フルミスト)
フルミストは鼻の中へ吹きつける、噴霧型のインフルエンザワクチンです。生ワクチンです。原則として健康な方を対象にしています。有効期限は長く、ほぼワンシーズン有効です。
ウイルスの株について
フルミストは4値(FluMist Quadrivalent)です。
一般的にインフルエンザワクチンでは三種類のインフルエンザ株(A型2つ、B型1つ)が入っています。これまでWHOは3つの株をインフルエンザワクチンに入れることを推奨していましたが、最近B型を一つ加えて4つになりました。
FluMistの読み方について
日本では「フルミスト」と呼ばれていますが、正式には「フルーミスト」です。強調文字にアクセントがあります。
正式名称は、FluMist Quadrivalent なので、「フルーミスト クアドリヴァレント」となります。Quadrivalentとは4(Quadri-)価(valent)です。
フルミスト接種について
お値段
一本8,500円(内税)になります。
2022年度の処置として、新型コロナワクチンを半年以内に接種した方は1,000円割引します。
当日接種履歴の分かるものをお持ちください。後払いはいたしません。
対象年齢
原則として2歳以上49歳以下。
接種回数
8才以下で毎年インフルエンザワクチンをしていない方は2回(一ヶ月間隔を開ける)。それ以外の方は1回。
禁忌
- 任意のワクチン成分や任意のインフルエンザワクチンの重度なアレルギー歴
- 2歳から17歳でアスピリンやサルチル酸誘導体内服中の方
- 2歳から4歳で喘息との診断を受けている場合。もしくは12ヶ月以内に喘鳴の既往や喘息と診断されている場合。
- 免疫抑制状態ある場合。
- 保護された環境が必要な重度な免疫抑制状態の人と会う場合。
- 妊娠
- 48時間以内に抗インフルエンザ薬を処方されている場合。
その他、鼻炎・鼻閉のひどい方は接種できません。
接種に注意が必要な場合
- 5歳以上の喘息
- インフルエンザの合併症でリスクが高まりうる、慢性疾患がある場合。例:肺疾患、心臓疾患(高血圧のみの場合を除く)、腎臓疾患(糖尿病)、腎臓・肝臓疾患、神経・神経筋疾患、代謝性疾患など。
- 中程度や重度な急性疾患(発熱の有無を問わない)。
- 以前のインフルエンザワクチン接種で6週間以内にギラン・バレー症候群を発症した場合。
接種に関してはお問い合わせください。接種医の判断で中止になる場合もあります。
注意点
- 輸入物のワクチンであり、原則補償はないものとお考えください
- 若年者で特に有効性が高いワクチンですが、100%の有効性を保証するものではありません。
- こちらのワクチンは、区の助成を受けることができません。
- 鼻閉・鼻汁が多いと、接種効率が低下します。
- 接種後数日後に鼻炎・風邪の症状が出ることがあります
- 生ワクチンですが他者に感染させることは殆ど無いです。ただ、上記のように重度の免疫不全の方と接触する可能性のある方は、接種はお控えください。
- 他のワクチンとの同時接種については、ご相談ください。
注意事項
- 問診・診察の結果、フルミストが接種できない場合があります。その場合は、普通のインフルエンザワクチンのご検討をして頂くことがあります。
予約から接種当日の流れ
予約
まずは予約システムで「フルミスト」のタグから予約をしてください。
予約する際にメールかライン登録をすると、接種日前日にリマインダーメールが送られてきます。
接種日前日
予約時に登録してあれば、リマインダーメールが送信されます。メールに添付されているWEB問診票(※)のURLよりご予約人数分ご入力していただくようお願いいたします。ネット環境など事情により入力ができない際は、当院に問診票がございますので来院時ご記入いただけます。但し接種までのお時間がかかりますことをご了承ください。
※:symviewというWeb予診票を使います。接種前日から記載できます。初診の方は、初診問診にもお応えください。スムーズな受付のために、ご協力をお願いします。
接種日当日
ご予約時間の間でお越しください。早すぎる場合は再度時間を置いてお越し頂く場合もございます。
その他
点鼻方法(動画)
CDCによる説明です(英語)
参考サイト
すでに日本のインフルエンザワクチンを接種した方でも、接種可能です。
詳しいことは、お気楽にご相談ください。
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