四種混合不足-その2

最近四種混合ワクチンに関わるブログのアクセス数が多くなり、マスコミの問い合わせも多くなってきました(マスコミの取材は原則応じていません理由の一つはこちら)。

化血研について

 化血研がようやく第三者委員会の報告を出してきました。

http://www.kaketsuken.or.jp/credibility00.html
(2015年12月4日8時現在サイト全体を閲覧することは出来ません)

 読んでみると絶句の内容です。化血研は大きく分けて血液製剤部門とワクチン部門があります。売上が大きく政治的にも発言が強かった血液部門で行われていた、未承認製造法と隠蔽工作が問題なりました(個人的には未承認製造よりも隠蔽工作の方が罪深いともいますが、ブタの腸粘膜から作られるヘパリン使用を知らされていないまま投与されていたイスラム教徒もいたのではないかと思います)。血液製剤とワクチン自体には問題ないと言われていますが、化血研の製剤をそのまま受け入れられる人は多くはないでしょう。

 しかし、公衆衛生学的なリスクを考えると、他の代替品がすぐに手に入らない場合では化血研の製剤を使わざるを得ないところもあります。化血研の製剤が使えないと他のメーカーの製剤も枯渇していきます。現在も四種混合ワクチン以外にもB型肝炎ワクチン・日本脳炎ワクチンが全国的に入手しづらくなっています。日本産のA型肝炎ワクチン・狂犬病ワクチンに至っては、全て化血研が製造しているため事実上接種できません(当院では以前から海外産のワクチンを使っています)。

 ノバルティスファーマが薬の副作用報告を怠ったということで、今年の3月に15日間の業務停止命令を出したことがあります。その場合も、代替品のない薬は販売を許可されていました。何度も書きますが、エンドユーザーである子どもたちの不利益の出ない方法で厚労省は「指導・命令」を下して欲しいです。

第三者委員会報告書について

 2015年12月4日15:30の時点でも上記のサイトを閲覧することが出来ません。化血研全体のサイトが閲覧できません。キャッシュがあったので、こちらでご確認ください。
 23時現在、化血研のサイトから報告書すらもダウンロードできなくなりました。

 念のため、ダウンロードしてこちらにも載せておきます。

MMRワクチン禍について

 以前のブログでMMRワクチンについても書きましたが、MMRワクチン禍に関しては、こちらも詳しいです。

 MMRワクチンの経緯--なぜ使用見合せの状況に至ったか 小児保健研究; 52(4):425-428,1993

 届けとは異なる製造法でおたふくかぜワクチン株を提出し、それが無菌性髄膜炎多発につながりました。

つまり,もし微研 が最初の統一株市販の時点で,正しい占部株ワクチン を提出していたならば,これまでのMMRワクチ の副反応問題は起こっておらず,現在でもMMRワ クチンは使用できていた筈で,この間に髄膜炎に罹患 した2千名に近い子ども達の被害は何だったのかと言わざるをえない。

 宝樹先生のブログも参考になります。

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