【重要】発熱+発疹、麻疹接触+発熱は、まず電話

残念ながら日本で麻疹が流行しつつあります。今後は「ジャスティン・ビーバー」「関空」「立川駅のイベント」というタームだけでは、麻疹を誤診する可能性があります。

 麻疹は10-12日の潜伏期の後、発疹を伴わない風邪症状を伴う発熱が出ます(カタル期)。カタル期が3-4日続いた後一度解熱し、その後高熱を伴う特徴的な発疹が出ます(発疹期)。発疹期は3-4日続き、その後解熱し発疹は色素沈着を残します。

 麻疹で有名なコプリック斑はカタル期・発疹期の狭間で出ることがあります(全員ではない)。

 感染力が有るのはカタル期1日前から解熱後1日までです。

麻疹の経過

 「感染力があるのはカタル期1日前から、解熱後1日まで(発疹出現の前後4日間)」となります。

参考(上図も):沖縄県小児保険協会「はしかゼロへ」

 風邪症状のみで発疹を伴わないカタル期では麻疹と診断することは困難であるにもかかわらず、他者に麻疹を感染させる可能性があるのです。

 また、麻疹は感染力が非常に強く、同じ空間(診療所も)もいるだけで感染が成立してしまいます。

 一般外来において麻疹のカタル期に麻疹と診断し、なおかつ他者に感染させないように感染対策をするのは非常に困難です。

 麻疹患者と接触して10日目以降に風邪症状が有る発熱数日して更に高熱になり発疹が出た場合は、医療機関に事前に連絡してください。

 そういった事前情報なしに医療機関に受診すると、待合室で麻疹が流行する可能性がります。電話等での連絡が大切です。

電話で伝えることは

  1. 年齢
  2. 性別
  3. 経過、いつから発熱して、いつから発疹がでたか
  4. 過去1ヶ月以内に海外渡航をしたかどうか。渡航歴あれば、どこ、の国に、いつからいつまで滞在したか
  5. 麻しんワクチンを受けているかどうか

ドクター中島の「地元のお医者さん」日記:「発熱」「発疹」が出たときするべき、たった一つの大切なこと

 麻疹が広がらないように、皆様ご協力のほどよろしくお願いします。

おまけ

 日本で麻疹・風疹・おたふくが未だに流行する理由は、0歳での麻疹ワクチン接種に移動しました。

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