遠くのジカ熱より近くの風疹

加熱するジカ熱報道

 ニュースで日本でジカ熱というニュースが出ました。日本での感染ではなくて、南米での感染だそうです。ニュースになっていますが、日本でのジカ熱報告は初めてではありません。しかも今は媒介する蚊のいない冬です。ジカ熱は他のデング熱・日本脳炎と同じく蚊が媒介し、通常ではヒト-ヒト感染はあり得ません(性交渉は除く)。どうしてここまで大事になるのでしょう?

 今後リオオリンピック・パラリンピックでブラジルに渡航する日本人が増えると思います。現地で蚊に刺されて日本で各種感染症(デング熱・ジカ熱・チクングニア熱など)を発症する人たちも増えるとは思いますが、そのたびにマスコミは今回と同じく個人が特定できる方法で報道をするのでしょうか?

水際作戦?

 日本ではジカ熱対策として「水際作戦」を続けるようです。発熱をチェックするサーモグラフィーを行うようですが、潜伏期間があり8割以上が不顕性感染であると言われているジカ熱をチェックすることは不可能です。そもそも微熱程度が多いジカ「熱」をサーモグラフィーでスクリーニングすることは困難でしょう。「新型インフルエンザ」での騒動を思い出させます。

ジカ熱の「運び屋」とならないために

 ジカ熱感染症患者は流行地域で感染させられた「被害者」であると同時に、日本で感染症を広げてしまうかもしれない「運び屋」でもあります。
 ジカ熱の潜伏期間は7-12日ほどとされています。また、男性から性交渉で感染するリスクも考えられます。

 そのため流行地域に渡航時と帰国後も少なくとも10日間は蚊よけ対策をすること、男性の場合は少なくとも4週間は性交渉するときにはコンドームを使用することなどが肝心でしょう(いつまで、蚊よけ対策・コンドーム使用するかは意見が別れると思いますし、今後の知見で変わってくるとは思います)。
 また、海外渡航歴がある場合は臆することなく正直に申告しましょう。ジカ熱以外にも海外での感染症は多いです。帰国後数ヶ月経って発症することがあります(個人が特定され犯人扱いする報道が続くと、隠しだがる人がいて当然ですが)。

DEETについて、再び

 有効な蚊よけ対策の一つにDEETがあります。以前日本でデング熱が話題になった時に書いたブログ(デング熱について)も参考にしてください。日本でもそろそろ過剰なDEETの規制を緩めるべきです。

「遠くのジカ熱より近くの風疹」

 その一方で、赤ちゃんにとって脅威の感染症である風疹は、日本でも現在土着感染症で「今そこにある危機」であるにも関わらず、日本での関心は低いです。日本では東京オリンピックまでに風疹対策をするということですが、余りにも悠長すぎます。「遠くのジカ熱より近くの風疹」です。

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