スポーク外傷
去年のクリスマスの日、スタッフから「スポーツ外傷」男の子が受診希望と連絡を受けました。何のことからと思ったら「スポーク外傷」のことでした。
保護者が漕ぐ自転車の荷台に乘った時に、踵が後輪スポークに巻き込まれたということです。別の病院で縫合などの処置を受けましたが、感染したため縫合を外し毎日消毒を受けていました。しかし傷はどんどん広がり植皮を打診されたため、当院に来ました。この時点で既に発症から一ヶ月経っています。痛みのためか一ヶ月ほど歩いていません。
閲覧注意っぽいので、アップの写真は避けます。
傷は30X40mmくらい。辺縁にポケット形成有り、横は皮弁様でプランプランしていました。幸いにも今は感染兆候は見られません。
こういった傷こそ湿潤療法の出番です。被覆材のプラスモイストを、踵が覆うように靴状に固定しました。そう、クックプラモイです。
当院治療翌日の状態です。傷が一回り小さくなっているのが分かります。また、赤い肉芽組織も増えてきました。肉芽組織が治療の鍵です。
治療後一ヶ月です。これで植皮が必要とはいえないでしょう。既にふつうに歩いています。
過剰肉芽や不良肉芽も出ましたが、その都度対処してきました(前者はステロイド軟膏、後者は歯ブラシで削げ落とす)。傷もどんどん小さくなり、使うプラスモイストも少なくなりました。
これが当院での治療後二ヶ月半位たった状態です。肉芽組織は消失し、ほぼ普通の皮ふになりました。治癒後の皮ふがやや硬いので(肥厚性瘢痕)、その治療は続ける予定です。
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