怪文書(笑)

場末のクリニックですが、当院にもこんな文章が送られるようになりました。

画像の説明

画像の説明

殆どの場合は匿名のようです。お返事しようにも困ってしまいますね。

大本の文章は、こちらのようです。

画像の説明

共通点がありますね。これが各小児科などに送られているようです。

 実際のところは予防接種にあたっては,副作用やリスクを書面などで事前に説明していれば、大きな問題になることは無いでしょう。怪文書(笑)の中には、不妊・癌など不安になる説明もありますが、今の所理論的背景は無いはずです。切手代がもったいないです。

 また、怪文書(笑)をもとに直接医療機関に尋ねる方々もいるようです(私が聞いた限り、お名前を教えてくれないようです)。基本的に医療機関なので、受診を目的としない人はお断りします。勝手に入ってくれば建造物侵入罪、退去しない場合は不退去罪になるかもしれません。

 怪文書(笑)の中で「神真都Q」など聞き慣れない言葉が出てきました。こちらもご覧ください。

「反ワクチン」は決して崇高な理念ではない。陰謀論に染まらないために気をつけるべきこと
https://nikkan-spa.jp/1810529

もっとディープな話は、こちらです。

神真都Qとは何か
https://note.com/caffelover/n/n97b5ec8fa92b

 もちろん皆さん副反応について色々とご心配になる事はあるとは思います。私が以前書いた本から抜粋します。
新型コロナとワクチンの「本当のこと」がわかる本~【検証】新型コロナ デマ・陰謀論
https://www.amazon.co.jp/dp/4801305768

副反応について疑わしい事例を頭ごなしに否定する医師は論外ですが、本書で検証している書籍を書いているような「医師」に相談することはお勧めしません。
これは、隠したい副反応を暴かれたくないからではありません。不確かな情報で副反応と言い切ってしまうことで接種率が低下してしまうことと、「多くの患者は精神疾患よりは身体疾患の病名を受け入れやすい。いったん身体疾患と告知された患者に新たに精神面の治療を実施することはきわめて困難である」(本田秀夫「子宮頸がんワクチン接種後に生じた症状に関する精神医学的研究」)からです。

医療関係者は報告をする際に
・患者の治療に最大限注力する
・軽々に因果関係を判断、コメントしない
・患者の不安の声を無視してはならない
ことが求められています。

私達はHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)での失敗を繰り返してはならないのです。

 もちろん我々医療関係者は副反応について真摯に対応する必要はありませんが、根拠不明な理論で圧力をかけてくる団体は笑い飛ばしたほうがいいかと思います。

 そうそう、むかしさくらが丘小児科クリニックに勤務していた森戸やすみ先生が、こんな記事を書いていますので、参考にしてみてください。

子どものワクチンめぐり謎のデマ文書。全国の小児科医、保護者へ「組織的に送っているのかも」
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/corona-vaccine-nazobunsho

あと、最後に、もし似たような文章をみたら、こう思ってください。
→怪文書(笑)