風疹対策ー2020年では遅すぎる

 昨夏、風疹大流行というニュースが連日のように流れてきました。今ではほとんど報道されていませんが、流行の「ツケ」がじわじわと報告されています。

 本日、これまでの流行で先天性風疹症候群の赤ちゃんが延べ40人と報告されてました。これは報告数なので、実際の数字はもっと多いでしょう。

 そんな中、日本の風疹対策が発表されました。

東京五輪までに風疹排除=厚労省が目標策定
 厚生労働省の小委員会は22日、2020年の東京五輪・パラリンピックまでに、日本から風疹を排除するとの目標を決め、風疹対策の指針案をまとめた。排除は流行がない状態のことで、大臣告示を経て来年度から実施する。
 同省によると、49歳以下の日本人で風疹に感染する可能性がある人は推計750万人。職場感染が多いことから、同省は働く男性や妊娠を考える女性に抗体検査や予防接種を呼び掛ける。(2014/01/22-17:19)

 いかにも東京オリンピック対策がミエミエですが、逆に言えば2020年前までは風疹流行ひいては先天性風疹症候群を容認するということでしょう(東京オリンピックが無ければ、本当に無策だったかも)。

 風疹対策は何も荒唐無稽なものではありません。アメリカでも1962–1965年に風疹が大流行しましたが、風疹ワクチン接種の徹底により収束しました。アメリカでは2009年以降風疹の発生はありません。ワクチン接種の徹底でherd immunity(集団免疫、群れの免疫)が実現すれば、風疹ワクチン接種ができない妊婦さんにも恩恵です。

 しかしながら日常の診察をしていて、暗澹たる気持ちになることがあります。妊娠中風疹抗体価が低いにもかかわらず、夫や出産後の妻に風疹ワクチン接種を勧めない産科もあります。当院でも赤ちゃんの予防接種と一緒に母親がMRワクチンを接種することがありますが、本来ならば出産後速やかに接種すべきでしょう。

 世田谷区の風疹ワクチン接種助成も、男性のはとっくに切れていて、女性も今年の3月いっぱいまでです。継続するという話はまだ聞きません。

 確実に言えるのは、このままでは今年も風疹が程度の差はあれ流行するし、その後先天性風疹症候群の報告が続くことです。

 よろしくお願いします。

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