赤ちゃんの「風邪」に抗ヒスタミン剤は控えましょう
赤ちゃんの「風邪」に抗ヒスタミン剤は控えましょう(鼻水止めは基本いりません):再び
去年10月に、当院ブログで「抗ヒスタミン剤の内服後に、一時的な無呼吸が起きたことがある」という注意喚起を書きました。院内でも実際に起きた出来事で、軽く見ていい話ではありません。([karugamo-cl.jp][1])
【大切なお知らせ】赤ちゃんのお薬と無呼吸について(当院ブログ)
https://www.karugamo-cl.jp/index.php?QBlog-20251003-1=
引用させていただいたDr. KID先生も2025年に改めて「乳幼児のかぜの鼻水に、ペリアクチン/ポララミン(第一世代抗ヒスタミン薬)を安易に使わない」ことを注意喚起しています。([アメーバブログ(アメブロ)][2])
乳幼児のかぜによる鼻水に対して、ペリアクチン・ポララミン(第一世代の抗ヒスタミン薬)は避けよう(Dr. KID)
https://ameblo.jp/doctor-kid/entry-12910803842.html
結論:乳幼児の“かぜ鼻水”に抗ヒスタミン剤は効きにくく、リスクが上回ります
抗ヒスタミン薬は、アレルギー(アレルギー性鼻炎のくしゃみ・鼻水、蕁麻疹のかゆみなど)には役立つ薬です。一方で、普通の風邪(ウイルス感染)による鼻水を止める目的では、効果が限定的です。小児における有効性は、海外の系統的レビューでも否定的です。([Cochrane][3])
さらに、特に乳児では眠気、興奮、呼吸への影響、けいれんなどの副作用が問題になります。乳幼児(とくに2歳未満)に対して、抗ヒスタミン薬を含む咳・かぜ薬は「重大で生命に関わる副作用が起こり得る」として注意喚起も出ています。([U.S. Food and Drug Administration][4])
なぜ「風邪の鼻水」に効きにくいのか
風邪の鼻水は、主因がウイルス感染に伴う炎症反応です。関与する物質はヒスタミンだけではなく、さまざまな炎症性メディエーターが絡みます。つまり、H1受容体をブロックしても、症状の芯に効きにくいということです。([Cochrane][3])
とくに避けたいのは「第一世代」:鼻水が減っても、あとで詰まる・危ない
第一世代抗ヒスタミン薬(例:ペリアクチン、ポララミン)
第一世代は抗コリン(抗ムスカリン)作用で一時的に鼻水が減ることがありますが、その代償として
- 分泌物が粘っこくなり、鼻づまりが悪化しやすい
- 痰も切れにくくなり、咳が長引くことがある
- 鎮静が強く、乳児では呼吸が浅くなる/無呼吸様のエピソードが問題になることがある
- けいれん等の重篤な副作用の報告がある
実際に呼吸器感染症で抗ヒスタミン剤(第2世代ですが)を使い、無呼吸発作を起こしたお子さんがいたのは以前お話したとおりです。
第二世代なら安全?:安全“寄り”でも、風邪にはやはり効きません
第二世代抗ヒスタミン薬は第一世代より中枢移行が少なく、一般に副作用が少ないとされます。それでも、風邪による鼻水への効果は限定的です(小児では有効性がはっきりしない)。([Cochrane][3])
もし「効いた」ように見える場合、背景にアレルギー性鼻炎が混ざっている可能性があります。鼻水が長引く、季節性がある、くしゃみが反復する、目や鼻のかゆみが強い、といったときは別物として評価します。

当院の方針:普通の風邪“単独”では抗ヒスタミン剤は使いません
特別な事情がない限り、当院では乳幼児の普通の風邪だけを理由に抗ヒスタミン剤を処方しません。安全面を優先します。([karugamo-cl.jp][1])
状況により、去痰剤や漢方薬などを使うことはあります(もちろん、必要性と年齢・体重・体質を見て判断します)。
家庭でできる「鼻水・鼻づまり」ケア(薬より効くことが多いです)
- 鼻吸い(電動でも手動でもOK)
- 加湿、こまめな水分
- 寝る姿勢の工夫(苦しそうなら上半身を少し起こす)
「薬で止める」より、「出してあげる/通してあげる」のほうが結果的に楽になることが多いです。生理食塩水による洗浄もありますが、当院では去痰剤や漢方薬を使うことがあります。
色々と対応することで「親が寝れる」ことも可能です。
## 不安がある方へ
お薬で不安になった方、他院で処方された薬が心配な方は、遠慮なくご相談ください。こちらで中身を確認し、必要なら整理します。
最後に。個人的には、こういう話は「DU処方(避けたほうがよい処方)」と同じ発想で、もっと慎重に扱うべきだと思っています。
DU処方って何?と思った人は下をクリック(タイトルは載せません)。 https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/anursing/kutsuna/201512/545029_2.html
[1]: https://www.karugamo-cl.jp/index.php?QBlog-20251003-1=&utm_source=chatgpt.com "【大切なお知らせ】赤ちゃんのお薬と無呼吸について ..."
[2]: https://ameblo.jp/doctor-kid/entry-12910803842.html?utm_source=chatgpt.com "Dr. KID『乳幼児のかぜによる鼻水に対して、ペリアクチン ..."
[3]: https://www.cochrane.org/evidence/CD009345_antihistamines-common-cold?utm_source=chatgpt.com "Antihistamines for the common cold - Cochrane"
[4]: https://www.fda.gov/drugs/special-features/use-caution-when-giving-cough-and-cold-products-kids?utm_source=chatgpt.com "Use Caution When Giving Cough and Cold Products to Kids"