世田谷区の二学期からの対応について
世田谷区でも2学期から区立幼稚園・区立小中学校の分散登校になりました。
区立幼稚園・区立小中学校の新型コロナウイルス感染症対応のまとめ
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/fukushi/003/005/006/d00185724.html
最終更新日 令和3年8月25日
文科省も休校などについての基準提示しています。
文科省が示す学級・学年閉鎖・休校の考え方
<学級閉鎖>
・同一学級で2~3人の感染が判明
・感染確認が1人でも周囲に未診断の風邪などの症状がある人が複数いる
・1人の感染が判明し、複数の濃厚接触者がいる
※以上のいずれかに該当する場合
・期間は5~7日程度が目安
<学年閉鎖>
・複数の学級を閉鎖するなど、学年内で感染が広がっている可能性が高い場合
<学校全体の休業>
・複数の学年を閉鎖するなど、校内で感染が広がっている可能性が高い場合
https://www.asahi.com/articles/ASP8W6DWMP8WUTIL022.html
感染力が非常に強くなった新型コロナウイルスのデルタ株は、子どもたちにも感染します。確かに子どもたちの感染は一部を除いて概ね軽症です。しかし、感染した子どもが、家庭でワクチン未接種の保護者への感染源になることがあります。ワクチンが未接種の状態では重症・死亡リスクの高い、中高年が感染するのは非常に気がかりです。
ワクチンが生徒の保護者に行き届いていない状態で、休校・分散登校をするのは当然のことだと思います。ただし、大人の事情だけで子どもたちに負荷をかけることは間違っていると思います。子どもたちの給食で「黙食」を強いるなか、大人たちが歓楽街で飲み騒ぐのは、やはりバランスが悪いと言わざるを得ません。まずは大人が範を垂れましょう。
日本小児科学会から提言が出ています。
現在の新型コロナウイルス感染流行下での学校活動について
http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=131
2021年8月26日
まとめると
- 各地域の感染状況に合わせ学級閉鎖や分散登校を考慮
- 学校、塾、学童保育で感染対策要
- 休校に伴い仕事休まざるを得ない親への配慮要
- 子供用不織布マスクは重要で無料提供考慮すべき
https://twitter.com/doctor_nw/status/1430842585296248837
です。
みなと保健所(港区)からの報告では保育施設に関して「陽性例を把握した時点で大規模な一斉検査や休園をしなくても、1.施設の消毒、2.接触した子どもの健康管理、3.皆で感染対策の強化に協力をする方が、保育サービスの維持に役立つ。」という報告を出しています(ただし経験上保育園児から保護者へ感染した事例もあります)。
みなと保健所からのお知らせ(8月27日)「区内の保育施設における新型コロナウイルス感染症の影響調査」報告
【調査の結果】現在の感染対策は有効、保育サービスの維持に役立つ
https://www.city.minato.tokyo.jp/houdou/kuse/koho/press/202108/20210827_press.html
また、個人的には子供の自殺や絶対的貧困の増加が気がかりです。
グラフを見ればわかりますが、2019年・2020年と小中高校生の自殺者数が確実に伸びています。2020年の自殺者の伸びはコロナの影響とみていいでしょう。
子どもの自殺を何としても防ぐ〜支援現場からの「怒りの提言」
「子ども目線」にたたない政策で、苦しむ子をなくすために
大空幸星 NPO法人あなたのいばしょ理事長・慶應義塾大学総合政策学部生
https://webronza.asahi.com/national/articles/2021050100005.html
日本では以前から相対的貧困(世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分(貧困線)に満たない状態)が多いと言われていましたが、コロナのためか、絶対的貧困(生きるうえで必要最低限の生活水準が満たされていない)が増えてきたと訴える人もいます。特に弱い立場の人たち(シングルマザーなど)は深刻な問題でしょう。
コロナ禍の子どもの絶対的貧困 母子世帯子どもの体重が減った割合が10%
https://news.yahoo.co.jp/byline/akaishichieko/20210505-00236229
事実私も外来をしていて、色々と考えることも増えてきました。
新型コロナはまだまだ収束できそうもありませんが、子どもたちへの対応も十分に考えてもらいたいものです。