百日咳ワクチン(Tdap)妊婦・産後割キャンペーン

当院では輸入ワクチンも扱っており、その一つに成人用三種混合ワクチンがあります。Tdapといいます。Tは破傷風、dはジフテリア、apは無細胞性百日咳です。小文字になっているところは子供用ワクチン(DTaP、日本ではDPTとも)と比べて成分の含有量が少ないです。子供用のワクチンを成人に接種すると局所反応が強くなるので、ジフテリアなどの量が調整されています。

 成人用百日咳ワクチンが必要になってくる場合は、妊婦さんなどです。アメリカでは27-36週の妊婦に妊娠の度に一回Tdap接種を勧めています。ワクチン接種で獲得した母親由来の百日咳抗体が胎盤を通じ胎児へ受け渡され、誕生からしばらくの間、乳児が百日咳から守られることを期待しての接種です。もちろん赤ちゃんの周りがTdapを接種することで百日咳に掛かる人が少なくなり、赤ちゃんが守られるということもあります。

Tetanus, Diphtheria, and Pertussis (Tdap); & Tetanus and Diphtheria (Td)

  • Health-care personnel should administer a dose of Tdap during each pregnancy irrespective of the patient’s prior history of receiving Tdap. To maximize the maternal antibody response and passive antibody transfer to the infant, optimal timing for Tdap administration is between 27 and 36 weeks of gestation although Tdap may be given at any time during pregnancy.
  • 医療者の立場として、Tdap接種歴に限らず妊娠毎のTdap接種を勧める。母親の抗体をしっかりとし乳児への受動抗体移行効果を最大化するには妊娠27-36週での接種が望ましいが、Tdapは妊娠期間中いつでも接種できる。
  • For women not previously vaccinated with Tdap, if Tdap is not administered during pregnancy, Tdap should be administered immediately postpartum.
  • 以前にTdapを接種していない女性で妊娠中Tdapを接種していなければ、出産後速やかにTdapを接種すべきである。
  • Available data from... studies do not suggest any elevated frequency or unusual patterns of adverse events in pregnant women who received Tdap and that the few serious adverse events reported were unlikely to have been caused by the vaccine.
  • これまでのデータではTdapを接種した妊婦に有害事象の増加や普段起こらない有害事象は示されなかった。僅かに深刻な有害事象は報告されたが、このワクチンとの関連性はなさそうである。

 赤ちゃんの百日咳をどうして防がなくてはいけないか?それはお馴染みの動画を御覧ください。

 そんなTdapワクチンは日本にはなく、小児用のワクチンを減量 (0.2ml)して接種する方法も採られています。しかし、日本ではすでに三種混合ワクチンは無く、不活化ポリオワクチンの入った四種混合ワクチン(IPV-DPT)です。コストが高くなってしまいます。

 当院には今年の2月で有効期間の切れる Tdap が若干あります。そのワクチンで妊婦・産後の方に限り、2月から7,500円のところ3,000円で接種しようと思います。

 条件としては

  1. 妊婦及び産後婦(赤ちゃんが四種混合が接種できる3ヶ月になるまで)
  2. 産科の主治医に同意が得られている

 有害事象(副作用)については若干説明が必要です。2014年に出た論文では、妊婦のTdap接種によって早産や子宮内発育遅延(SGA)児出産、妊婦の高血圧性疾患のリスク上昇は見られないが、絨毛膜羊膜炎のリスクは小さいが有意に上昇することが、後ろ向きコホート研究の結果として示されています。また、個人輸入したワクチンですので、原則補償はないものだと思ってください。

 時期柄インフルエンザのお子さんが多いです。ワクチンの時間帯などできるだけ調整しますので、詳しくは電話でお問い合わせください。

a:8700 t:3 y:11