BCGワクチンとコッホ現象について

BCGワクチン

 日本は結核の中蔓延国と呼ばれ、結核が殆ど出てない地域もあります。世田谷区も発症率は少ないですが、一部でコッホ現象や乳児での結核の報告があります。特別な理由が無ければ、生後5ヶ月くらいにはBCGをしましょう(結核は流行している地域では、もっと早い接種が奨励されることもあります)。

何処に打つの?

 原則として左腕です。日本では細い9本の針を2回押し付ける方法です(管針法)。海外では皮内接種でお尻に接種することもあります。腕だと跡が残るから、他の場所に接種してほしいと言われることがあります。しかし、他のところに管針法で接種するとケロイドができやすく、トラブルのもとです。

接種した後

 接種後14日頃から接種跡がポツポツ赤くなり、接種後5-6週間でピークになることがあります。一連の反応は、免役が出来たために起こる普通の反応です。逆に言えば、BCGワクチンを接種してから免役が成立するまでには、時間がかかるのです。

二回接種するの?

 昔はツベルクリン反応で反応が弱ければBCGを再接種していましたが、今では再接種の効果は疑問視されています。BCGワクチンは一回勝負の接種です。私たち接種医は力いっぱい接種していますが、BCGワクチンが一回勝負になってからは更に力いっぱい接種しています。
 もし、あまり針痕数がなくても原則として再接種はしていません。接種する場合も自費になります。

コッホ現象について

 通常のBCGワクチンでは接種後時間が経ってから赤く腫れます。前述の通り、時間がかかるのはBCGによる免役が成立するまでに時間がかかるからです。しかし、BCGワクチンを接種する前に既に結核菌に感染した場合は免役があるので、BCGワクチン接種後比較的早く接種部位が赤くなることがあります。これがコッホ現象です。

 つまりコッホ現象が出たお子さんは、既に結核菌に感染している可能性があります。接種してから1週間~10日以内(多くの場合は3日以内)に反応が出たら、要注意です。結核菌に似た菌(非結核性抗酸菌)に感染した場合でもコッホ現象が出ることがあります。

偽コッホ現象

 今の日本では多くのコッホ現象は「偽コッホ現象」と言われています。BCGワクチン接種後の刺激で、接種部位が一時的に赤くなることがあります。その場合は、1-2日すれば赤みは落ち着きます。

コッホ現象が出たら?

 あまり急ぐ必要はありません。先ずは腕の写真を撮ってください。翌日以降も続いているようであれば、接種した施設に問い合わせてみましょう。落ち着くまでは連日写真を撮り続けるのもいいでしょう。

 当院ではBCGワクチン接種時にコッホ現象についてのパンフレットをお渡ししています。接種後暫くは、分かりやすいところに貼ってください。

本当のコッホ現象だったら?

 地域によって対応が異なりますが、疑わしい場合は検査が必要です。正月・夏休み・大型連休前には、特別な理由がない限りBCGワクチン接種は避けたほうがいいかもしれません。