MRワクチン接種率(世田谷区が低すぎる)

日本では永らく麻疹ワクチンは単独抗原のままでした。2005年度(平成17年度)から麻疹・風疹混合のMRワクチンが接種できるようになり、1期と2期に分けて2回接種できるようになりました。

 2008年度(平成20年度)からは、麻疹排除計画のため、MRの3期・4期を2012年度までの期限で行いました。

 それぞれの接種年齢を表にしてみます。

  • 第1期:生後12か月以上24か月未満の者
  • 第2期 :5歳以上7歳未満の者であって、小学校入学前の1年間
  • 第3期 :中学1年生に相当する年齢の者 (年度内に13歳になる者)
  • 第4期 :高校3年生に相当する年齢の者 (年度内に18歳になる者)

 第3期・第4期は現在接種は行っていません。

 麻疹は感染力が非常に強いですが、全体の接種率が95%以上であるならば、感染拡大はないと言われています。つまり、接種率の目安としては95%のはずです。

 現実はどうだったか、表にしてみようと思いました。

 からデータを採りました。間違いがあったらご指摘ください。

 世田谷区・東京都のデータで経時的なものはありませんでした。

 なお、厚生労働省の表記を参考にして、以下のように色分けしています。サイト作成ソフトの使用上、似た色で表記していますが、グラフは厚生労働省のと同じ色です。

95%以上
90-95%未満
90-95%未満
80-90%未満
79-80%未満

MR1期

MR1期の接種率

 当初は世田谷区でも比較的高い接種率でした。2010年度は99.1%です!!。

 しかし、その後は全国・東京都の平均を下回るようになりました。

MR2期

MR2期の接種率

 MR1期と異なり、95%を示す濃い目の赤がなくなります。世田谷区は東京都平均よりも高い年度もありますが、2014年度は84.2%と低めです。

MR3期

MR3期の接種率

 MR3期・4期は2012年度までなので、表もそこまでです。

 暖色系の色は無くなってしまいました。つまり90%未満です。MR3期では全国・東京都の平均を全年度で下回っています。

MR4期

MR4期の接種率

 文字通り「お寒い」表です。ある程度低いのは予想できたのですが、2008年度に至っては東京都市区町村でビリです。

やりきれない思い

 MRワクチンについては、通常から高い接種率を保つ必要があります。

 当院が開院したのは2011年度です。MRワクチンについては出来る限り接種歴を確認し、未接種であれば接種を強くお願いしていました。正直来なくなってしまう患者さんもいましたが、そのリスクを負ってでもするべきだと思っていました。

 世田谷区でこれほどまでに低い数字を見ると、寂しい物があります。

 本来であれば、国が責任をもってキャッチアップすべきでしたが、行いませんでした。2008年度にMR3期が始まったので、その世代は20代後半です。社会人として全国を駆けまわっているでしょうし、父親・母親になった方もいるでしょう。

 そういった世代に、中高生のころMRワクチンをしたか確認しても、殆どわからないのです(実家に母子手帳があるので今わからない、そもそも母子手帳が有るかどうかもわからない…)。

とにかく定期接種を粛々と行うしか無い

 何かと入荷が遅れがちなMRワクチンですが、粛々と定期接種を行うしか無いでしょう。他の方々は麻疹単独かMMRワクチンでお願いします。

同じ東京都なのに接種率がどうして違うの?

 前回の世田谷区のMRワクチンワクチン接種率でもお見せしましたが、同じ東京都23区(特別区)でも、接種率は1期で見ると中央区の102.4%から港区の83.5%までだいぶ開きがあります。

 社会背景が同じと思われる中央区と港区で、どうしてここまで違うのでしょう?事情は色々と見聞きしますが、行政や議員の皆様には接種率向上のために、頑張ってもらいたいものです。

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