0歳での麻疹ワクチン接種

麻疹が流行しています

 当初幕張メッセ(ジャスティン・ビーバー)から広まるかもしれないと言われた麻疹ですが、その後関空職員・立川駅近くのイベントでも麻疹患者が確認されています。

 麻疹は空気感染で同じ空間にいただけでも感染します。すでに、「幕張メッセ」「関空」などの単語では麻疹患者を振り分けることが困難かもしれません。

対策はワクチン

 今後何処で麻疹に感染するか分からない状況になると思います。対策は麻疹ワクチン(MRワクチン)です。

誰が接種する?(追記2016年9月13日)

 保育園などの集団生活をしている場合で周りで麻疹の報告が複数あれば、しておいたほうがいいでしょう。

 ただ麻疹ワクチンを接種する・しないに関わらず、流行時は人混みを避けたほうが無難です。

 全国的に麻疹ワクチンが不足しています。ご理解とご協力をお願いします。

いつ接種する?

 定期接種において麻疹ワクチン(MRワクチン)は1歳から接種できますが、0歳でも自費になりますがワクチン接種は可能です。

 通常は母親からの移行免疫が無くなる生後6ヶ月から接種しますが、母親が妊娠中の検査で麻疹抗体が少なかった場合、早めに接種したほうがいいでしょう(母親も)。母子手帳などでご確認をしてください。

 保育園などの集団生活をしている場合は生後6ヶ月から、母親妊娠中の麻疹抗体が少なかった場合はもっと早期から麻疹ワクチンは接種可能です。ワクチン未接種で麻疹患者と接触した場合も、72時間以内であればワクチンが有効な時があります。その後でも接触後6日以内であればグロブリン製剤(血液製剤)で症状の緩和が期待できます。

1歳になったら再接種を

 0歳時で麻疹ワクチン(MRワクチン)を接種して副反応が特に強くなるということは無いとされています。

 0歳時で接種しても免疫が減弱しやすいことが知られています。ですので、1歳になったら速やかに定期接種のMRワクチンを接種して下さい(前回の麻疹ワクチンから27日は間隔をあけて下さい)。

各種説明

麻疹

 沖縄は麻疹が多いのです…

 青木眞先生のブログ。やや専門的ですが、解りやすいです。

麻疹ワクチンの種類

 大きく分けて3つあります。今後国産のMRワクチンなどが少なくなるかもしれません。需要と供給のバランスなどを考えて選んでいます。

麻疹単独ワクチン

 日本製です。今のところ5000円。

MRワクチン

 麻疹(Meales)+風疹(Rubella)の混合ワクチンです。日本製です。今のところ8000円。

MMRワクチン

 麻疹(Meales)+おたふく(Mumps)+風疹(Rubella)の混合ワクチンです。海外製で、世界的に広く使われています。GlaxoSmithKlineのPriorixを使っています。MMRワクチンについてを御覧ください。個人輸入したワクチンです。よく読んで下さい。今のところ10000円です。

副作用についての考え方

 麻疹含有ワクチンの副反応で最も多いのが発熱・発疹です。接種後7-10日ほどで起こります。1日か長くても2日で下がります。

 他にも副反応が列挙されることがありますが、ほとんどが「紛れ込み」です。脳炎脳症は100~150万人接種に1人以下、急性血小板減少性紫斑病は100万人接種に1人程度と言われています。年間100万人ほど出生する日本で、ほぼ同人数接種するMRワクチン(1期・2期だと200万人)接種者の1-2人が何かしらの重篤な症状を起こした場合、ワクチンの副反応と100%断定することも100%否定することも困難です。

 日本にはワクチンの救済制度というものがあります。しかし、任意接種と定期接種で金額が違いますし、個人輸入のワクチンには原則ないものだと思ってください。私はそのリスクがあってもワクチンは接種すべきだと思います。

万が一の健康被害が起こったら?:VPDの会

予約方法

 現在は個別に対応する必要が有るため、電話予約のみ受け付けます。今日はすでに診療を終了しましたので、翌日以降ご連絡下さい。翌日9月2日は特別に午前中電話対応します(病児保育などで不在にするかもしれません)。

付記

2016年9月2日

 どうして私がここまで0歳時での接種に言及するかというと、0歳時での麻疹感染は重症化しやすく、死亡率も高いからです。

 また、麻疹感染して数年後に発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)も0歳児での感染が多いのです(致死性)。

 以前6ヶ月未満の赤ちゃんが麻疹に罹り、程なくして母親が麻疹に罹った事がありました。赤ちゃんへの移行免疫がなければ、母親が罹るのが当然ですよね。

 個人的な話をすれば、私は0歳の時に麻疹にかかりました。お友達の親が予防接種をしない方針で、そのために私は感染したのです。痙攣して生死をさまよったと聞いています。

2016年9月5日(麻疹・風疹・おたふくが日本で未だに流行る理由)

 日本でどうして麻疹(のみならず風疹・おたふく)が流行する素地ができたかというと、平成元年ごろ日本でMMRワクチン禍(欧米の所謂ウェイクフィールド事件とは違う)があったからです。

 たしかに阪大微研の対応はひどいものがありましたが、一部のマスコミが執拗に攻撃し、また厚生省(当時)の対応はその後ワクチン行政の無作為に走りました。

 当時の状況をよく表している記者の言葉があります。当ブログでも紹介した内容ですが、後の文章も大切なので、載せておきます。

また数年以上前のある学会で、「我々には麻疹で何人亡くなるかということは関係ない、むしろそのワクチンで何人亡くなるかということの方が問題だ」と発言した記者の方がいました。このとき私は悲しい思いで、「もっと命の尊さを考えた報道をしてほしい」と切実に感じました。しかし良く考えると、この発言も、記者の方々に正しい情報が届いていないためのもので、この方もある意味で被害者であると考えるようになりました。

BIKEN:ワクチンの匠第3回 薗部 友良先生(2010.1.15) 守れる命は守れる社会に の「次のページヘ」を3回押してください。

 HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)「騒動」をdejavuと思うのは、私だけでしょうか?

2016年9月6日(ワクチンの優先順位)

 明日MMRワクチンが届く予定です。

 今後、国産の麻疹ワクチン・MRワクチンの流通が不透明な中、多くの方にワクチン接種ができるようにご協力ください。

2016年9月14日(ワクチンの優先順位追加)

 当面の間、以下のとおりにします。

1)1歳以上2歳未満の初回接種対象者
2)初回接種の接種漏れ(2歳以上で追加接種の対象になっていない者)
3)追加接種対象者
4)6か月以上1歳未満で緊急接種の対象者は麻疹単独ワクチン接種すべき

 世田谷区では、2)に該当する場合、公費で接種ができます。「麻しん・風しん未接種の2歳以上小学1年生までの方へ

 MMRワクチンについては出荷制限の縛りはないですが、できるだけ未接種者を優先したいです。

2016年9月8日(接種間隔についての考え方)

 MRワクチン・麻疹単独ワクチンの供給が滞りがちになりました。麻疹単独ワクチンの在庫も予約でいっぱいになってしまったため、これからは0歳でも個人輸入したMMRワクチンでの接種となります。

 生後2ヶ月からのワクチンデビューから、赤ちゃんはワクチンイベントが目白押しです。日本では通常ワクチンは一度接種すると他の不活化ワクチンからは6日、同種類の不活化ワクチン同士および生ワクチンからは27日接種間隔を空けることが一般的です。

 しかし、そのルールは生ワクチン-生ワクチン同士しか医学上合理性がありません。しかもロタワクチン(ロタリックス・ロタテック)は経口の生ワクチンですが、そちらも実は他の生ワクチン・不活化ワクチンとの接種間隔を27日空ける必要はありません。

 生ワクチン(MR,おたふく、水痘、麻疹、風疹、BCG:ロタワクチンは除く)は接種間隔が短いと干渉し免疫がつきにくくなる可能性がありますが、不活化ワクチン・ロタワクチンではそういうことはありませんし、有害事象が増えるということはありません(ちなみに今ある生ワクチン同士で明らかな干渉があるというエビデンスはありません)。この件については日本小児科学会も異なるワクチンの接種間隔変更に関する要望書を出しています。

 現行では0歳児でのワクチン接種間隔は、同種ワクチンとBCG/麻疹含有ワクチンのみ医学上意義があります。

 ですので生後2ヶ月すぐでヒブ・小児肺炎球菌・B型肝炎・ロタワクチンの初回を接種し、その一週間後(翌日でも)に麻疹ワクチンを接種、生後3ヶ月になってすぐにヒブ・小児肺炎球菌・B型肝炎・ロタワクチンの2回目と四種混合の初回を接種しても医学上は問題ありません。

 ただし、医学上は問題なくても地方自治体によっては麻疹ワクチン接種後26日以内に接種したワクチンを定期接種として認めない(つまり自費)可能性があります。接種間隔については地方自治体に確認しておいたほうがいいでしょう。

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