HPVワクチンのお話

とある大学の学生さんから、HPVワクチン(俗称子宮頸がんワクチン)について卒論を書きたいということで、インタビューを受けました。学生さんに送ったメールを個人情報などは伏せた上で載せておきます(許可は得てます)。

「HPVワクチンに反対してる医師」を紹介して欲しいという件で

宮原です。
お返事ありがとうございます。

 私の知り合いには、3人の子宮頸がんを経験した人がいます。
二人は子どもと離れて入退院を繰り返し、もう一人は非HPVによる子宮頸がんでしたが未婚だったためか偏見に苦しんだということです。

 ワクチンについては作為過誤と不作為過誤が存在します。作為過誤によって失う命、不作為過誤によって失われる命、私はどちらも少なくしていきたいです。

 HPVワクチンは目的ではなく手段です。目的は子宮頸がんの発症及び子宮頸がんによる死亡を減らすことです。私は、子宮頸がんを減らすためにHPVワクチンは反対という医療関係者は知らないので、「HPVワクチンに反対されている医師」を紹介することはできません。

 少々固い本ですが、こちらもお読みになってもいいと思います。
戦後行政の構造とディレンマ―予防接種行政の変遷 手塚 洋輔

 よろしくお願いします。

不妊について

 続きです。

 不妊について、「HPV 不妊」で検索してみたら、こんなサイトが見つかりました。インターネットの情報とはこちらでよろしいでしょうか?

(載せたくないので、アップしません)

 実際のところ、不妊ワクチンができたら獣医さんは苦労しませんね。
HPVワクチンの治験中も、避妊をお願いしていたのに妊娠してしまったというお話もあります。

 ヒトの自然流産率は15%です。自然の摂理として流産・不妊・遺伝病・早産・脳性麻痺は絶対ゼロにすることはできません。XXさんは「不妊説」を噂とお話しましたが、お子さんが不幸な転機を迎え絶望の中にいる母親・パートナー・そして接種を決めた母の両親は、かつて接種した(させた)HPVワクチンのせいだ、とその「噂」のために苛む必要はあるのでしょうか?

 もちろん噂でもナラティブなものは大切ということであれば、話は別ですが。

 なお、不妊ワクチンと言われたワクチンは他にもあります。生ポリオワクチンです。
XXさんもお子さんの時に接種したかもしれません。
 2003年のナイジェリアでも生ポリオワクチンが不妊やエイズの原因になると言われて
ボイコット運動が起きました。
What Led to the Nigerian Boycott of the Polio Vaccination Campaign?
その後ナイジェリアでポリオが大流行しました。多くの国々で、ポリオ発生数が減少しゼロになりつつ今も、ナイジェリアはまだ流行国です。
ナイジェリア北部でポリオ患者が急増、5年前の流言が影響

 世界からポリオが根絶されない限り、世界単位でポリオワクチン接種をやめることができません
(接種しなくても問題ない人がいるのは、その影て多くの人が接種しているから)。
日本はようやく生ポリオワクチンから不活化ポリオワクチンに切り替わりましたが、いわゆる
発展途上国と呼ばれる国々では、まだ生ポリオワクチンが使われています。

 よろしくお願いします。

日本と海外でのワクチン不妊説について

宮原です。
外来が落ち着いたので、国内でのHPV不妊説について書いてみようかと思います。
ご存知だとは思いますが、ご容赦願います。

 2009年日本でサーバリックスが導入された頃、幾つかの政治団体が日本でもHPVワクチンの推奨活動をしていました。その中に、新日本婦人の会という共産党系の団体がありました。

 それに反対したのが、日本の子供の未来を守る会という保守系の団体でした。
「サーバリックス子宮頸がんワクチンによる民族浄化」という触れ込みです。

(載せたくないのでアップしません)

 その後、日本の子どもの未来を守る会は活動を停止しましたが、同会で使用した不妊説はまだネット上に残っており、使い回されることがあります。
「日本の子供の未来を・守る会」が活動休止

 前回生ポリオワクチンと不妊とのお話を書きましたが、海外でワクチンと不妊に纏わる話は
古くて新しいものです。時々繰り返されます。他にも新型インフルエンザワクチンなどがあります。
古くて新しい「ワクチン不妊デマ」と、新生児破傷風

 よろしくお願いします。

子宮頸がんの検診について

今回は子宮頸がんの検診について、書こうかと思います。

 子宮頸がんはいきなり発生するものではありません。
一般的には子宮頸部の細胞(扁平上皮細胞)がHPV感染をすると異形成という状態になります。多くの場合はウイルスが排除されて普通の細胞に戻りますが、ウイルスが排除されない場合幾つかのステップを踏んでガンになります。

 子宮がん検診は、異形成を調べる方法(細胞診)とHPVウイルス感染の有無を調べる方法(HPV検査)があります。最近は細胞診とHPV検査の両方をすることが望ましいとされています。

日本産婦人科学会のガイドライン(PDF)にも詳しく載ってます(ワクチンのことも)。

 よく、HPVワクチンは、子宮がん検診をすれば不要という声を聞きます。しかし、実際のところは検診を受けても、子宮頸がんになったという話はあります。HPVワクチンで「全ての」子宮頸がん予防にはならないのと同時に、子宮頸がん検診だけで全ての子宮頸がんを見つけることはできません。

 子宮頸がんを減らすためには、HPVのみならず定期的な検診および、HPVを含めSTI/STDに感染しにくくするための教育(パートナーを限定する、妊娠希望以外の性交渉にはコンドームを使用する、事後のシャワー使用)など
が大切です。
厚生労働省の「性感染症とは」

 STI/STDの問題点は必ずパートナーがいることです。場合によっては複数です。他人にも影響を及ぼすので、自分だけの問題ではないのです。

 さて、日本では子宮頸がん検診率が20%ととても低いです。そのため、ワクチン接種とともに子宮頸がんの検診率を上げることが大切です。

 HPVワクチンを推奨する側の一部にも見受けられますがHPVワクチンに懐疑的な方の多くは、それでは子宮頸がんを減らすために子宮頸がん検診を積極的に薦めているかというと、どうやらそうではないようです。

 HPVワクチンに関するサイトはいくつかありますが、玉石の見分け方の一つとしては子宮がん検診にどれほど説明を割いているかだとおもいます。検診の説明ががなおざりなのは、無知か、利害関係に基づいていての発言か、単なるアンチかのどちらかだと思うようになりました。

 よろしくお願いします。

アメリカでのHPVワクチン接種後の不妊報告について

 アメリカには、予防接種後に起こった有害事象を報告するシステムがあります。VAERSといいます。
注意すべきは、これが誰でも報告できることと、必ずしも因果関係を問わないということです(ご存知だと思いますが、副反応と有害事象は異なります)。

http://www.medalerts.org/

さて、サーバリックス(HPV2)とガーダシル(HPV4)のすべての報告数は、現在のところ27521件でした。
http://www.medalerts.org/vaersdb/findfield.php?TABLE=ON&GROUP1=AGE&EVENTS=ON&VAX[]=HPV2&VAX[]=HPV4

短縮:http://ow.ly/fkRzF

一方で、不妊(Infertility)に絡めた報告は、10件でした。

http://www.medalerts.org/vaersdb/findfield.php?TABLE=ON&GROUP1=AGE&EVENTS=ON&SYMPTOMS[]=Infertility+ %2810021926%29&SYMPTOMS[]=Infertility+female+%2810021928%29&SYMPTOMS[]=Infertility+male+%281002 1929%29&SYMPTOMS[]=Infertility+tests+%2810021931%29&VAX[]=HPV2&VAX[]=HPV4

短縮:http://bit.ly/TMZnoP

全てのHPVワクチンの有害事象報告で、不妊に関わる割合は0.036335889%です。ワクチンと不妊に絡められる話はいわゆる発展途上国に多いと言われていますが、アメリカではかなり少ないですね。

中には、

Information has been received from a physician concerning a friend of a friend''s daughter a 17 year old female who was vaccinated with a dose of GARDASIL.
(友人の友人の娘が…)

という、確証のしようがない事例もあります。

 医学英語が出てきますが、ライフサイエンス辞書+Firefoxで、かなり読みやすくなると思います。
https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/life-science-dictionary-tool/

 よろしくお願いします。

HPVのワクチン成分と不妊について

 不妊になると言われているHPVワクチンの各成分について、調べてみました。

 まずはサーバリックスについて。サーバリックスはアジュバントにAS04という物質が使われています。
それが不妊の原因になると言われているものです。
 よく検証されているサイトがありました。

サーバリックスで不妊になるのか?
http://www44.atwiki.jp/cervarix/pages/13.html

 「動物用不妊ワクチンに使われていた物質と似たものが、サーバリックスで使われている。だからサーバリックは不妊ワクチン」という論理ですね。どこがおかしいのかわかると思います。

 次はガーダシルについて。ガーダシルではポリソルベート80が不妊の原因だと言われています。こちらも検証されています。

サーバリックスは危険なのか? > サーバリックスに水銀やホルムアルデヒドなどが含まれているって聞いたけど?
http://www44.atwiki.jp/cervarix/pages/23.html

新規HPVワクチン「ガーダシル」の話
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2011-07-29

 ガーダシルに使われているポリソルベート80を接種回数である3倍にして、体にどのくらい影響があるのか
検討してみればいいと思います。

 両ワクチンで接種後実際に不妊が増えたのか、検討したデータがあります。

子宮頸がんワクチンで不妊になるというのは根も葉もないデマ
http://d.hatena.ne.jp/usausa1975/20120813/p1

 現在、PlotkinのVaccineという本を読んでいますが、特にHPVワクチンと不妊に関するテーマはありませんでした
(当たり前ですが)。新しい版(6版)が出たらもう少し調べて見ることにします。
http://www.amazon.co.jp/dp/1416036113/

 あと、XXさんから、HPVワクチンに関してなにかご質問ありますか?火曜日までにはできるだけ揃えておこうと思います。

 よろしくお願いします。

HPVワクチン接種は性行為を助長しない

 本日はよろしくお願いします。

 あまり急がなくても良いので、あとにでも読んでおいてください。

Sexual Activity-Related Outcomes After Human Papillomavirus Vaccination of 11- to 12-Year-Olds
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2012/10/10/peds.2012-1516.full.pdf

 HPV接種してない群、した群に分けて、3年後の妊娠や性感染症などに優位な差があるか検討した論文です。結果は、差がありませんでした。不妊になることもないし、性的活動が活発になるということはありませんでした。

 抄訳もありましたよ。
http://robust-health.jp/article/preventive02/000152.php?page=1

 本研究において有意ではないまでも若干HPVワクチン接種群の少女たちの避妊相談割合が高かったことは、HPVワクチン接種女性の方がより安全な性行動に対する姿勢を強く持っているという最近の別の研究結果を支持するもので、長期にわたり少女たちが医師との関係を保つことによって、青少年の予防医療に対してよい影響をもたらすものかもしれない。

 11~12歳のほとんどの少女においては、医療に関する決定は両親か保護者によってなされるので、この年齢では性行為に対する理解によってHPVワクチン接種を決断するということは起こりにくい。もしこの種の決定に関する交絡因子が存在するなら、性行為関連結果のリスクは過大評価という結果になるのであり、潜在的に過大評価が存在する中で有意な関連がないことは、本研究結果をさらに支持するものとなる。

 結論としては、11~12歳までにHPVワクチン接種を受けることと、性感染症や妊娠といった性行為に関する臨床的結果増加との間に関連はなかったということである。

 こちらも参考になります。

HPVワクチン接種推奨:性的活動性に影響を与えない・・・
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/10/blog-post_5364.html

HPVワクチン推奨が、性行為促進につながるのではないかという危惧がある。

以下の調査では、HPVワクチン接種は性的活動性に影響を与えず、接種者は、コンドーム使用など性病に関心が高いことがうかがわれる。

 よろしくお願いします。

子宮頸がんの頻度とマザーキラーウイルス

 本日はありがとうございました。

 色々とお話しましたが、ご不明な点があればメールで教えてください。

 子宮頸がんなどのHPV関連がんの発症率(incidence) について説明します。アメリカでの統計を示します。

http://www.cdc.gov/cancer/hpv/statistics/cases.htm
 これを見ると、アメリカでは年間12,000ほどの方がHPVに関連した子宮頸がんになっているのがわかります。Oropharyngeal cancer(中咽頭がん)もあるのは、面談でお話した通りoral sex と無関係ではありません。男性に多いのは喫煙と関係があるのでしょうね。

 日本でHPV関連の疫学は得られませんでしたが、子宮頸がん全体では年間8,474人発症しています。

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関する ファクトシート
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000bx23-att/2r9852000000byb3.pdf

 HPV感染後にガンに発展する確率は低いということですが、HPVはありふれたウイルスであり誰が感染してもおかしくはありません。分母が多ければ、当然分子も多くなります。

 さて、子宮頸がんは若い女性に発症しやすいです。前述のファクトシートからの資料ですが、2004 年と1985 年と比較すると、40 歳代以下の年齢層で子宮がん罹患率が増加しています。

 HPVに関連した子宮頸がんは「マザーキラー」と呼ばれています。理由のひとつは、子宮頸がんの進行具合によっては、子宮や卵巣を摘出しなくてはならない「母性」を切除してしまうからです。
 そして「マザーキラー」と呼ばれるもうひとつの理由は子宮頸がんの発症年齢が、小さなお子さんを持つ年齢ということです。
 子宮頸がんは長期入院を余儀なくされ、場合によっては命を落とす病気です。その時に残されたお子さん・パートナーの心境はいかがなものでしょう?

 HPV感染率の高さや子宮頸がんになってからの損失を考えると、HPVに感染してからがんに発展するまでの確率は決して高くはありませんが、悩ましい疾患であるのは確かです。

 薄く広くワクチンについて知りたいのであれば、面談でもお話しましたが、この本がおすすめです。

わかりやすい予防接種
http://www.amazon.co.jp/dp/4787818333

 それから、この本もいいです。

予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える
http://www.amazon.co.jp/dp/4334035981

 前者はワクチン一般について知ることができますし、後者はワクチンをする意味について考えることができると思います。

 よろしくお願いします。

タスキーギ梅毒実験--虐げられる側の論理

宮原です。お返事ありがとうございます。

 X先生との面談は色々と得るものが多いと思います。こちらも楽しみにしています。

 XXさんに前回おすすめした、岩田健太郎「予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える」を今日読みなおしてみました。その中で、タスキーギ梅毒実験が挙げられていたので、少し解説します。

 梅毒という感染症があります。主に性行為で感染します。梅毒にかかっている女性が妊娠すると、胎児が梅毒に感染することがあります(先天性梅毒)。昔は治療法もなく水銀療法なんていうのがありましたが、今ではペニシリンという抗生剤を早期に使えば治療可能な病気です。

 1947年に治療法が確立されましがが、「無治療の梅毒がどうなるか」を調べるために抗生剤を使用せず経過観察された人たちがアメリカでいました。黒人の人達です。内部告発によって公になり中止になったのが1972年です。25年もの間、受けるべき治療が受けられなかったことになります。実験が行われた地名をとってタスキーギ梅毒実験と呼ばれています。

タスキーギ梅毒実験(3) - 海螢の昼行燈 -To be determined-
http://blog.livedoor.jp/ap_09/archives/3205163.html

 この人体実験の背景には、アメリカ社会における、明らかな黒人への人種差別がありました。

 そして事件は、米国黒人社会に医療サービスに対する根強い不信感を植え付ける結果になりました。何しろ国家機関が40年も、故意に患者を治療から遠ざけ、公衆衛生局内では実験の非倫理性に対する申し立ての声を無視し、新聞にすっぱ抜かれてもシラを切ろうとしたのですから。

(略)

80年代になってエイズが広まり出したとき、エイズのための教育プログラムを黒人の居住区域に作ろうという動きがありました。ところがエイズについて話しをすると、ほぼ一様にタスキーギが話題にのぼることに気付かれたのです。

多くの黒人、ことに南部の田舎では、

  • エイズの原因であるHIVウイルスは黒人を殺すために、実験室で意図的に創られた
  • エイズに対する初期の治療薬であったAZTは、黒人に毒を盛る計略
  • コンドームの配布は、政府による黒人の出生数削減計画の一つ
  • 使い捨て注射針普及運動は、黒人地区でのドラッグ使用を促進するため

という考えがあったのです。

1990年、教会を通じた調査において、敬虔なキリスト教信者の黒人1965人のうち、35%がエイズは民族浄化(genocide)の一型であると答えています。

この答えは、黒人の多くにとって、驚きでも何でもありませんでした。

 タスキーギ梅毒実験は、その後の臨床実験のあり方を大きく変える転機にもなりましが、多くの人達に医療に対して不信感を植え付けるきっかけににもなりました。

 ワクチンと不妊と関連付ける言説がいわゆる発展途上国に多いのは、タスキーギ梅毒実験の素地と関連があるのかもしれません。ただ、日本では必ずしも当てはまらない部分もありますね。

 タスキーギ梅毒実験に関しては、上に挙げたブログでさらなる考察があります。よろしかったら見てください。

http://blog.livedoor.jp/ap_09/tag/%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%AE

 よろしくお願いします。

ワクチンの値段について

 X先生のインタビューがうまく行ったようでよかったです。

 さて、ワクチンの値段ですが、海外のと比較してみましょう。

 まずはアメリカから。アメリカでは、CDCがワクチンの値段をきちんと公表しています。
CDC Vaccine Price List
http://www.cdc.gov/vaccines/programs/vfc/awardees/vaccine-management/price-list/index.html#adult

ガーダシル:CDC(公的価格) $92.468 プライベート価格$130.27
サーバリックス:CDC $77.60 プライベート価格 $128.75
(November 1, 2012)

 ワクチンの値段は時々変わるので、こちらで確認してみるといいでしょう。価格推移をグラフにするのも
いいかもしれません。
http://www.cdc.gov/vaccines/programs/vfc/awardees/vaccine-management/price-list/archive.html

 世界各国でのワクチン価格ですが、これもかなり異なります。一般的には、サーバリックスのほうが
安いです。これは、ワクチン会社の「戦略」でしょう。

Vaccine competition (サーバリックス vs ガーダシル)
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/f9478f18fb3efed2a8bf951b7a887f36
(その後イギリスは、サーバリックスからガーダシルに乗り換えてます)

 日本で、どうしてサーバリックス・ガーダシルの値段が同じかと聞かれれば、これは製薬会社の「戦略」としか言えません。当院のみならず世界的な情勢としてガーダシルの需要が多いですが、この情勢が続けばサーバリックスとガーダシルの価格差が日本でも出てくるかもしれません。

 さて、一連の値段を見て、日本のワクチンはどうして値段が高いのだと、思ったかもしれません。

 最近の例では、不活化ポリオワクチンが挙げられます。

不活化ポリオワクチンと日本のワクチン審査制度
http://blog.goo.ne.jp/miwakohosoda/e/b5949d572220f9150a84f15569300554

 9月の接種で使用される不活化ポリオワクチンは、4月に承認されたサノフィパスツール社製の「イモバックスポリオ皮下注」ですが、このワクチンの希望小売価格としてサノフィパスツールが提示しているのが5,450円と、極めて高額であることが分かりました。必要とされる計4回の接種で2万1,800円もかかる計算です。従来の経口生ワクチンはわずか300-400円程度の2回接種だったので、一気に20倍以上に高騰することになります。
 従来から生ワクチンに比べ不活化ワクチンが高額になることは言われていましたが、この価格設定は果たして妥当なのでしょうか。たとえば、同じサノフィパスツール社製の不活化ポリオワクチンを、2011年11月から独自に接種制度を整備してきた神奈川県は、通関税込みで2000円程度で購入してきました。諸外国を見回すと、同ワクチンは、アメリカでは約2100円、オーストラリアで約3600~3900円、カナダで約3200円、で販売されています。

 どうしてそうなったのかは、ブログを読んでください。

 外資系のワクチン値段は世界的には三段階に分けられていると聞きました。日本では今のところ「先進国カテゴリー」です。
外資系ワクチンの値段が日本でも下がるのは、日本が更に貧乏になり国内のワクチンメーカーが潰れ、日本国が「ノブレス・オブリージュ」の看板を外してからかもしれません。それは、案外近いうちかもしれません。

 よろしくお願いします。

ガーダシルが遅れた理由

 面談の時にお話したかもしれませんが、ガーダシルは4価から9価に変更する予定です。2年前の記事ですが、これを読めば、日本でガーダシルの認可がいかに遅れたがわかります(理由はわかりませんが)。

9価のHPVワクチン (日本でいうところの“子宮頸がんワクチン”)
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/18c324a259355d41d763d84575d26545

http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226564035105.html?pageKind=outline
では

総合機構  ガーダシル治験でMSDに不信感、GCPを逸脱( 2011年9月5日 )

 7月1日付で承認された子宮頸がん予防ワクチン「ガーダシル」をめぐり、国内で実施された臨床試験で検体ラベルの誤貼付など複数の問題が発生し、承認審査で医薬品医療機器総合機構が申請者のMSDに対し強い不信感を示していたことが、審査報告書から分かった。指摘を受けMSDは社内体制の改善に乗り出している。

 と書いてありますが、詳しいことはわかりません。

 よろしくお願いします。

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